農業研修の現状

■日本一のレタス産地として有名な長野県川上村が、収穫の時期を迎えている。現在、ここできつい畑仕事をするのは主に中国の東北地方から来た研修生たちで、その数は年々増え続けている。
  統計によると、川上村の現在の人口は4357人で、そのうち、2009年に中国から来た農業研修生は人口の16%を占める702人である。赤や青の野球帽をかぶり農作業をする中国の若者たちは、この村独特の風景となっている。
  川上村の就業者数は約2950人で、その7割が農業に従事している。過去30年間、レタスの栽培で成功を収め、大部分の農家の年収が2000万円を超えたという。2006年、日本は初めて台湾にレタスを輸出し、その後香港市場を切り開いている。
  日本の2005年の統計によると、農業従事者のうち、26%が65歳以上の高齢者である。日本では、農業経営者の高齢化や後継ぎ不足などの問題が深刻化しているいま、労働力不足は日本農業の発展を妨げる主な要因となっている。
「日本農業の未来に外国人労働者は欠かせない」のが現状である。

農業研修の課題

■まず、ある外国人研修生の給与明細の内容を見てみると、毎月の基本賃金は11万2000円だが、そこから家賃(5万5000円)やさまざまな費用が引かれると、1カ月働いた結果、研修生はかえって会社に2万円ほどの借金を作ってしまった状態だ。
  田舎のぼろアパートの一室に4〜5人が一緒に住んでいるのに、一人あたり5万円以上もの家賃を負担しなければならないとは驚きだ。流し台などのリース代の借金分は、結局研修生が身を削って残業して返すしかないのが現状だ。だが、日本に来ている外国人研修生が月に22日しか働かないということはない。ほとんどの研修生が30日間働いている。それでも毎日8時間近くの残業になる。


農業研修受入元について

■研修生をめぐって現実に起こっている諸問題の背景には,受入農家側の安価で安定的な労働力の確保という期待と,研修生側にも収入確保の希望が強いことに尽きる。そこに,研修制度の建前と本音が乖離している現実が象徴的に表れているのである。
  受入農家の聞取り調査結果からは,研修生受入れの目的が労働力の確保対策としてであり,研修制度を利用して雇用労働力を確保しようとする側面が非常に強く表れている。また,研修生側も収入の確保にウエイトが置かれていることは,明らかである。
  この現実は,受入農家と研修生の双方にとって経済的なメリットがあるからである。


受入のメリットは

  研修生を受け入れた場合の平均的な経費は次のように試算される。
  これを日本人の期間雇用を入れたとして比較してみると,1ヵ月以上9ヵ月未満の1日当たり農業臨時雇用労賃は,男8,649円,女6,520円である。この水準で9ヵ月間(270日)雇用したとすれば,男性で233万円,女性で176万円となり研修生を受け入れる方が男性で55%,女性で40%も安くあがることになる。
  ただし,9ヵ月の季節雇用の場合は様々な経費がこのほかに必要となるから,実際には研修生受入れの方が更にその差は大きくなる。  このように,受入農家にとって経済的メリットは大きい上に,早朝の作業など日本人パートでは安定的な確保が難しい作業にも対応できるというメリットも大きい。

往復渡航費       85,000円
宿舎費 15,000円×9ヵ月    145,000円
研修手当
(食費を含む)
80,000円×9ヵ月    720,000円
保険料  2,700円×9ヵ月     24,300円
派遣機関への
管理費
17,000円×9ヵ月    163,000円
合 計   1,127,300円

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